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初恋だった。
その頃はまだわからなかったけど、あの気持ちは、多分そうだったんだと思う。
家が近所だったから、四つ年上の修兄ちゃんはよく俺の面倒をみてくれていた。
いつも一緒にいた。
喧嘩もしたけど、本当に仲が良かった。兄弟のようだ、と言われたこともあった。
お互い兄弟はいなかったから、ごっこ遊びのような感覚もあったと思う。
俺が中学に上がるか上がらないかの頃に、秘密の経験をした。
今となっては他愛も無いことだ。修兄ちゃんにとっては、単なる興味本位だったはず。
ピンク色の声が遠くに聞こえる。少女達の脳天気な声。
修兄ちゃんの目が気になった。
俺と目が合って、すぐに逸らした、あの目。
懐かしさなんてどこにも無い、冷たい瞳だった。
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