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『じゃあ、アルは将来科学者になるの?』
ミルフィーネの問いに幼なじみのアルシャーノは首を傾げた。
そんな仕草をすると元々童顔な青年は更に子供ぽく見える。
『別に科学者になりたい訳じゃ無いよ。皆の為に何が出来るかしてるだけだから。』
そう答えたアルシャーノだが、皆の為にと言いつつ、本当は目の前にいる好きな女の子(ミルフィーネ)の為だったりした。
彼女の喜ぶ顔見たさに仕事の合間に研究開発をしてきた。
もちろん、それはこの国の人の為にも必要な発明でもあった。
この国の人は鉱石を掘り、それを加工、輸出することで生計を立てている。
そんな生活をしなければならないのは植物が育ちにくい土壌。
石がゴロゴロ転がる痩せた土地では作物は殆ど育たず、
光も余り射さない。
雨も殆ど降らない。
鉱物中からたまに採れる石炭で生活のエネルギーを作り出して、
水は地下水でまかなっているが、それでも全国民が豊かな生活をすることは出来ないのが現状だった。
ミルフィーネの家も両親を早くに落盤事故でなくし、ミルフィーネは女ながら男達に混じって鉱山で働いている。
そんな彼女を楽にしてあげたいとアルシャーノが頑張り続けて5年以上。
ようやく結果をあげようとしていた。
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