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『でもさ、アルシャーノが作っているの、本当に役に立つの?
失敗だって言って北の山に捨てに行ってる方が多い気がする。
何がどう失敗なのか私には見せてくれないし…。』
ミルフィーネが膨れ面でそうぼやくとアルシャーノは恥ずかしそうに頭を掻きながらそれでも嬉しそうに話る。
『失敗は失敗だよ。
でも、失敗から学べる事もあるし。
それに、
この水分発生機とか、
転移装置とか、
土壌を良くする薬とか、
成功したのもたくさんあるじゃないか。』
『水分発生機は地面を下へ掘って掘って掘って、水が出て来るまで掘るだけの機械じゃない。
鉱山を掘った時にたまに出てくる水と変わらないわ。
転移装置?
物しか送れない、
人は移動出来ない、
サイズ制限がある。
そんなもの何に使うの?
土壌を良くする薬?
土を良くしても植物は育たなかったわ。
そんな物が成功品なの?』
ミルフィーネにバッサリ切り捨てられてもアルシャーノは諦めていなかった。
『植物が育たなかったのはまだ足りない物があったからだよ。
光と熱さ。
植物に降り注ぐ光と温度、水、豊かな土地。
これが植物を育てるのに必要な物だったんだ。
その光と熱を作る方法も分かってる。…
もう少しで出来る。
後ちょっとだよ。』
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