第1章:朝

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家を出た俺は駅へと向かう。 うちの高校は食堂がないため、割り箸が無理で手に入らない。 だから忘れたときは売店の1本5円の割り箸を泣く泣く買うしかない。 俺はそれを二度ほどしている。 たかが10円、されど10円。 まあ、指で食うわけにはいかないからな。 教訓としてカバンには常に割り箸を1本忍ばせている………はずだが、さて、どこへやら……。 駅へは住宅街の中をジグザグに抜けて約15分。 毎日毎日あまり変化がない、単調な道のりだ。 金を貯めていいMP3プレイヤーを買って、歩きながら聴こうかな………。 そんなことを考えながら、ボーっと道を歩いていると、背後から勢いよく振り下ろされたギャルバックが後頭部に直撃した…………。
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