第1章:朝

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母さんが焼いてくれたパンの匂いが鼻をくすぐる。 顔をあげて窓の外を見ると、アネキが小走りで門を出て行った。 俺の目線は外を見たまま、パンにバターとジャムを塗って口に運ぶ。 母さんはキッチンから移動し、食卓テーブルで俺と父さんの弁当をつめている。 テレビではニュースの時間が終わり、今度は天気予報が流れている。 今日は午前中は晴れ。だけど夕方に夕立がある………らしい。 傘を忘れずに持っていかなければ……とつぶやく。 気温は………28℃か。 寒くなることはないな……と、またしてもつぶやく。
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