第一話

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庭、というより森に近いであろうところから拾ったコレ……。 大きさは一抱えくらい。 大きさに反して、重さはあまり感じない。 色は、白い。 形は…………卵だよな、どう見ても。 部屋に持ち寄り、まず悩んだ。 卵であるから、 割るべきか、 育てるべきか。 後者を決断した俺は、片膝を床につけ、床に空いている方の手をかざした。 手のひらが淡く光ったところで立ち上がり、胸元まで水平に手を上げるとそのまま腕を振り上げる。 天井まで届くガラスの孵化機を作った。 中に卵を入れ、その時を待つ。 これは何の卵で、何が生まれるとか、まったくわからないが、 不思議と不安はなく、期待が大きかった。
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