プロローグ

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「松尾・・・ 俺を二度とその名前で呼ぶな!」 俺は松尾に目線を向け、そう怒鳴る。 というか、何故わざわざフルネームで呼ぶんだ? 嫌がらせか? 「おまえの家庭が複雑なのは知っているが・・・ 仮にも親がつけた名前だろう? そこまで嫌がることはないじゃないか?」 松尾はそう言う。 「いくら親が考えぬいて名付けたとしても微晴はないだろう!?」 俺は反論する。 普通、名前をつける場合には何等かの思いを込めてつけるが、俺の場合はどういう意味があるのかわからない 強いて言うなら、晴天でもなく曇りでもない少し晴れている状態が好きだから『微晴』とつけたとしか・・・ ってこの考えもどうだろうか? 「それより、今日もサボりか? そろそろ出席日数が足りなくなる頃じゃないか?」 松尾はそう尋ねる。 「大きなお世話だ。」 松尾に興味が失せた俺は、再び空に目を向ける。 松尾なりに心配してくれたのだろうが、その手の台詞は他のやつからもイヤになるくらい言われている
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