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「見届けるか・・・
あくまで自分の力で、どうにかする気は無いのか?
自分で切り開いてこその未来だ。
おまえはそう言っただろ?
そのおまえが、まるで何かに縋るように助けを待っている。
自分から動かないのはその為だろう?
体力温存、備えあれば憂い無し・・
言い訳は幾らでも出来るが、おまえはただ逃げているだけだ。
逃げるな、立ち向かえ!
さすれば、明日はおまえと共にある。
おまえの持つ器にはそれ程の力を宿している。」
三度声が聞こえる。
「言われるまでもない。
無論、そのつもりだ。
だが、おまえは何故俺を励ますんだ?
おまえの目的はこの身体を乗っ取る事じゃないのか?
これじゃあ、まるで俺を生かそうとしている。」
俺はそう尋ねる。
「ククククク・・・
今、死なれては困るだけだ。
今の俺には身体を取り戻す程の力は残っていないからな。
精一杯、生きてくれよ?
この俺の為に・・・」
声はそれ以降聞こえなくなった。
言いたい事だけ言って引き篭りやがったか
アイツが何と言おうがこれだけは言える
俺は誰の為でもなく、俺自身の為に生き残る
何があってもだ
そう決意し、眠りに就いた。
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