68人が本棚に入れています
本棚に追加
『そっちに行ったぞ!追え!!』
『飼い主を噛み殺すとは何て犬だ!!』
『フェンスに追い詰めたぞ!!』
騒ぎながら人間達がフェンス越しに追い詰めたのは、大型の獣だった。
『この犬め!飼い主を噛み殺すとは…恩を仇で返すとはな!!』
ガルルルルルルッ
(俺とした事が…こんな場所にまんまと追い詰められるとは…)
犬(?)は唸り声を上げ、迫ってくる人間達を睨み付けた。
人間達がジリジリと迫り来る中、
『待って!止めて!助けてあげて下さい!!』
と声がして、人間達は声がした人物を見た。
声の主は女だった。
女は犬の前に行くと、人間達を見た。
(何だ!?この女は…)
犬は近付いてきた女に、さらに唸り声を大きく上げた。
人間達は少し動揺しながら、
『高杉の嬢様…この犬は――』
『分かってる…でも、この犬の体をよく見て!!』
人間達は女の言葉を聞き
『は!?体?』
と、皆一斉に口を開き、そう言った。
最初のコメントを投稿しよう!