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男は地べたに座り込み、自分の手足などを見ながら、
『チッ!俺としたことが…』
と、ブツブツと独り言を呟いていた。
女は犬の姿が見えなくなった為、
『あれ?』
と思わず呟いた。
男は女を見上げると、
『何だよ…』
と言った。
『あなた…いつからそこに。ていうか…ここに居た犬は?』
女がそう聞くと男はフッと口元に笑みを浮かべ、
『お前馬鹿か?今ここにいるのは俺とお前だけだろうが。』
と言った。
女はキョトンとした目をして、
『だって貴方人間じゃない…』
と言った。
すると男はハァとため息をつき、
『仕方ねぇな…』
と言い、その場から立ち上がった。
そして―――。
女が見ている前で―――。
なんと先程まで居なくなっていた犬(?)の姿に変化した。
女には自分の見たものが信じられなかった。
『うそ…貴方、犬なの…?』
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