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女は男の手をポンポンと叩くと、
『そんなに怒らないでよ。怒るとせっかくの綺麗な銀髪が白髪になっちゃうよ…?それに犬語も狼語も同じだし。』
と軽く笑いながら言った。
男はムッとしながらも女から離れた。
『いいか、言っておくぞ!狼は誇り高い獣だ!!』
女はキョトンとしたまま、
『……だから?』
と聞いた。
『だから怒らせるなと言ってるんだ!!』
男はそう言うと軽く息を吐き出し、
『まぁいい…お前には助けてもらった借りがある…何かあった時は助けてやる。』
と言うと、狼の姿に戻り女に背を向け歩き始めた。
『ちょっと待ってよ!!』
ムギュ
女は去ろうとする狼の尻尾を掴んだ。
ギャウッ
ガオッ
ガウッ
(うわっ!!何しやがる!離しやがれ!!)
『え…何?だから犬語…じゃなくて狼語?じゃ分かんないよ…』
ムギュ~~
ギャワワワワワッ
ウガオォォッ
(強く掴むんじゃねぇ~!しかも引っ張るな~!!痛ぇ~!!)
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