ー繋ー

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「お客を庭に置き去りとは…」 「まぁ、銀月らしい」 「確かに」 「碧月、翔様の隣にすわるな」 「ケチ~…」 「目を離すとこれだから」 「だって、翔はタイプだし」 「そういう事を普通に言わないで下さいね」 「碧月、銀月に殺されるぞ」 「ちぇ…」 こんなに普通に見える人達なのに、やっぱ和海と同じようにすごい特技とか持ってるのかな 「翔様、ゆいさんはこの幻月のところにいます」 『ゆいは元気?』 「大丈夫だよ、いやな記憶は消してあるからね」 『えっ?』 「心配しないで、悲しい記憶はいらないでしょ?」 『うん…』 「今度は二人で来るからね」 『待ってる』 ゆいは大丈夫そうだな 安心した 「翔、俺の目を見て」 『ん?』 「いけません!」 『えっ?』 「碧月は催眠術のプロです」 『なっ!』 「ちぇ…翔から銀月を忘れさせようと思ったのに」 「そんな事をしたら、殺しますよ?」 「冗談だよ…」 いや…冗談には思えないのがこわい 「銀月は大分よくなったね」 『ありがとう、紅月のおかげだよ』 「次は、翔がよくならないとね」 『俺はどこも悪くないけど』 「一生、歩けなくてもいいの?」 『でも、もう無理だし』 「そうかな?」 『えっ?』 「ちょっと失礼」 そう言って、紅月は俺の足を触る 「成る程…」 『ん?』 「完全には麻痺してないな」 『?』 「銀月、お前はどう思う?」 「確かに、紅月の言う通りだと」 「そうか…」 『俺の足…治るの?』 「その可能性は0ではないよ」 『夢みたいだ』 「だが、もう少し体力をつけなさい」 「紅月は不可能を可能にする医師だからな」 「ゆいも紅月に治してもらったんだよ」 「そして、俺が記憶を消した」 『そうなんだ…』 なんとなく嬉しかった 気休めでも、また歩けると言われた事が…
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