ー騙ー

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次の日の夕方、携帯が鳴った 『もしもし』 「香奈です」 『香奈さん?電話してくれてありがとう』 「体は大丈夫?」 『うん、へーき』 「ならよかったわ、なんとなく気になってたから」 『ありがとう』 気になるのは体じゃなくて、俺だろ? みえみえなんだよ 『そうだ、お礼に今日食事でもどうかな?』 「今日?」 『うん…だめかな?』 「ん…」 『予定があるなら無理には誘わないけど』 「わかったわ、時間と場所は?」 俺は時間と場所を告げ、携帯を閉じた 『ねぇ、香奈…いいの?今日は君の愛人の誕生日だろ?レストランのディナーをキャンセルして、俺に会いに来てくれるんだ』 香奈にはまだ働いてもらわないとね 鏡に映る俺の姿は、悪魔そのものだった 良心のかけらは美咲に預けた そして…待ち合わせ場所に向かった
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