プロローグ

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3人は帰宅部だったので、帰りはいつも一緒だ。 この日も変わらず3人で帰っていた。 マヒロ「……あれ?」 シンジ・ユウマ 「どうした、真尋?」 2人が同時に真尋を見た。 マヒロ「…あれ何だろう?」 真司と勇真が真尋の指した方を見た。 そこは、とある公園。山の近くで崖崩れがよくあることから、立ち入り禁止になっていた。 その公園の錆が入ったベンチの下から、何かが生えてる。 3人は不思議に思って立ち入り禁止のロープをくぐって、ベンチに近づいた。 マヒロ「草かな?ウヨウヨ動いているけど…」 シンジ「色が白いぞ。それに何か、草にしちゃ太いし」 ユウマ「……あれって、もしかして………」 ベンチに着いてしゃがみこんで見た途端。3人は、悲鳴をあげた。 マヒロ「ひ、ひひひひ、人の手がぁぁ!」 真尋は、真司の腕を掴んで泣いた。 勇真も冷や汗をたらたら流して、硬直していた。 シンジ「お、お前は………誰だ!」 1番兄と言うことで真司が勇気を出した。 ベンチの下の白い手は、上下にウニャウニャ動いている。まるで3人を手招きしているかのように。  マヒロ「ううううぅぅぅ………」 真尋はもう真司にしがみついて放さない。 すると白い手は、スススッとベンチから出た。3人はビクッとなる。 ユウマ「こ、この手、人の手じゃないよ!」 シンジ「な、なんだって」 真司もよく見ると、フサフサの毛が風になびいていた。 シンジ「ホントだ……。大丈夫だ、真尋。これは動物の腕だよ」 真司は、後ろにいる真尋を前に出した。 マヒロ「ううう……ほ、本当だぁ……」 まだ泣きじゃくっているが、真尋は少し安心した。  
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