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動物の腕は、近くに落ちていた石をつかむと、地面に何か書いた。
ユウマ「ど、動物が、日本語書いてる。」
シンジ「な、なんて書いてあるんだ。」
腕は、スラスラっと文字を書いた。
マヒロ・シンジ・ユウマ
「「「《私の国は、滅びた。このままでは世界が滅びてしまう。どうか助けてほしい。伝説の三つ子である、あなたがたに》」」」
文字を読んで3人は首をかしげた。
マヒロ「世界が滅びるって……」
シンジ「それに、俺達に助けてほしい………だと?」
ユウマ「最後の《伝説の三つ子》っていったい……。」
3人は動物の腕を見た。
腕はくるっと方向転換すると、山に続いている道をスススっと進んで行った。
しばらく、見ていた三つ子は何かに打たれたようにあとを追った。
腕が止まったのは、町の景色が一望出来る広い広場だった。
マヒロ「ここ、小さいころよく3人で見た景色だ……。」
シンジ「ああ、そういやぁ俺、よくあの高い木に登ったっけ。」
ユウマ「でも、どうしてここで…?」
3人は腕に視線を戻すと、腕は落ち葉を集めていた。
シンジ「おい、何してんだ?」
すっかり、腕に慣れたようだ。
腕は、集めた落ち葉に寝転ぶと指で妙な動きを始めた。
マヒロ「あの、何やってるんですか?」
真尋はまだ少し怖いのか真司の後ろにいた。
すると、腕に落ち葉や枯れ枝が集まり固まって、狼の姿になった。
ユウマ「さっきの腕は、この狼さんのだったんだ。」
狼は、3人を見て確信に満ちた目をした。
オオカミ「先程は、驚かしてすまなかった。なにぶん、この世界では、うまく体が造れない物で……。」
ユウマ「あの、あなたは何者ですか?」
3人を代表して勇真が前に出た。
トラブルに遭遇したときは、勇真がよく対応してくれる。
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