慰安布団

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「雪だー! 冬だー!! 北海道だー!!!」 「静かになさい、陽。そうして叫び散らすとまるで猿のようで不快です」 「…流石に寒いな。やはりもう少し着込むべきだったろうか」 「え~? ボクは暖かいよ?」 「そりゃ飛行機降りてから人にべったり引っ付いてますからね。いい加減離れてくれませんか」 北海道到着早々、騒がしい陽。 そんな陽を咎める静。 マフラーを巻き直す冷。 愛季を抱き締める明。 そして、白い息を吐き出す愛季。 山茶花学園高等部+生徒会役員は、北海道に辿り着いたのだ。 皆が雪など珍しい地方の育ちなため、心ならずも目が輝いてしまう。 「うっひゃぁ、冷たぁっ!!!」 「雪ですからね」 ちなみに、旅行中は私服で行動するのが許されている。 着こなしや着込み具合はそれぞれであり、普段より少し気合を入れている他生徒に比べて、こいつらは普段着そのもの。 それでも絵になるのは、まぁ、雪原マジックとでも言っておこうか。
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