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「うわぁ… 八代っちマジ似合わない、気持ち悪… ロリコンみたい」
「あんだと糞餓鬼」
真顔でそう呟いた明の胸倉を掴み上げ、八代は言う。
器用にも腕をすり抜けて逃げ出した明を追って、部屋を走り出た。
「あーぁ、行っちゃった。あ、なぁなぁ冷兄貴、オレ風呂入りたいー。びしょ濡れだもんよ」
「あぁ、そうすると良い。俺も雪を流したいんだが…」
「では、僕が香尋さんを見ておきますね。僕は傘を差していましたから」
そう言って本を取り出した静。
軽く礼を告げたふたりは、備え付けの押し入れから浴衣を取り出し、風呂場へと向かった。
「…やれやれ、騒がしい人達ですね」
愛季と2人残された静かな部屋で、静がページをめくる音だけが響く。
外からは他の生徒がざわざわと団体行動をする声が聞こえ、日程の殆どが自由行動である自分達生徒会が付いてくる意味はどこにあるのだろうか、と静はぼんやり思案する。
実際生徒会役員は皆人気であるから、同じ飛行機に乗るだけで充分な意味があるのだが、それを自分で自覚しているのは明だけである。
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