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「っ寒… やー、布団…」
「我慢なさい。また悪化したら堪りませんからね」
暫くそのまま時間が流れ、愛季の呼吸が落ち着いてから。
「まったく… 他の皆さんが居ない時だけですよ?」
もう1度、今度は静が愛季をぎゅうと抱き締めた。
「泣きもしないで… 皆さんも何で気付かないんでしょうね、やっぱり馬鹿なんでしょうか」
「し、静さん…?」
「そんな風になる程寂しいなら、そう言えば良いでしょう。何の為に僕や皆さんが居ると思ってるんですか?」
睡眠を促すように、静の腕がゆっくりと愛季の背を撫でる。
「…何で」
愛季はぽそりと呟き、軽く咳き込んでからもう1度口を開いた。
「何で、分かったんですか?」
「僕が貴方より大人だからですよ。それに僕は割とそういった事に敏いですし」
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