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「てことは、4人兄弟…」
「そっ! 何なら全員呼んで来てやるよ!」
漸く冷の手から解放された陽。
また、嬉しそうに愛季に駆け寄り…
「いえ、お構いな「冷兄貴! 愛季に手ェ出すんじゃねぇぞ!!」
…愛季の言葉も聞かず、駆け寄った勢いのまま職員室を出た。
「…何というか… すまないな」
「いえ、段々と陽さんという人が分かってきました」
天真爛漫というか、何というか。
思い込んだらすぐ実行、人の話を聞かずに突っ走るタイプの様だ。
「冷さんも大変ですね」
「いや… 君程じゃないさ。どうやら色々あったようだな」
ぽんと優しく頭に載った大きな掌に、目を見開く愛季。
「…え」
「違ったか? 顔色をみるのは得意だと自負していたんだが…」
わしゃわしゃと愛季の頭を撫でながら、冷は黙り込んだ。
「いえ、そんな所です。凄いですねぇ」
「…それ程でもない」
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