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和風なこの旅館には、襖に鍵は無い。
きっと、愛季が叫べば直ぐに人が駆け付けるだろうな。
「ねぇ、愛季」
「はい?」
むぐむぐと口を動かし、愛季は答える。
そっか、晩ゴハン食べてないんだよね。
食欲もあるみたいだし、明日には全快かな。
「…? 明さん?」
「あ、ゴメンゴメン。」
にへらっ、と笑って返せば、同じ様に愛季も笑う。
「…愛季」
「はい」
「陽兄に告られた、ってホント?」
言った途端、愛季がびくりと肩を震わした。
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