3008人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は一体何を迷っていた?
今日に限らない。
ずっと前から気付いていた。
僕の事を「好き」だという感情を知らない振りをして、無知な子供を演じていたのに。
「キス、していい?」
こんなざまだ。
押し返す事も容易い。
すぐに逃げる事も容易い。
なら、それをしない理由がどこにある?
「ごめんなさい!!」
握られた手を振り解いて、僕は走り出した。
携帯も財布も持たずに飛び出すのは初めてかもしれない。
何なら、このまま凍死しても構わない。
最初のコメントを投稿しよう!