事実発覚

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苦しいのか悲しいのか嬉しいのか清々しいのか卑しいのか浅ましいのか 何も何も分からないまま、僕は夜の北海道をひた走る。 額に貼られたシートはとっくに粘着力を失い、雨から変わった雪の上に落ちた。 こんな糞寒い中、好んで外に出る馬鹿は居ない。 邪魔される事もなく、僕はただただ走っていた。 走らなくてはならない気がした。 止まる事は許されない気がした。 裸足の足に、まだ水っぽい雪が冷たく凍みる。 涙が出そうで、1度止まった。 「…馬鹿」 何で死んだんだ。 何で僕をこんな状況に置いたんだ。 父さんと母さんの、馬鹿。
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