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『主の屋敷で出逢った時は驚きましたよ。なんたってそんな両親を良い人だと表現したのですから』
…屋敷?
そういえばこの声、愛季が誘拐された屋敷で聞いたような…
『愛季は人を嫌わない。それは、小さな頃から見ている最も愛すべき3人が、最も憎むべき3人だったから』
3人?
ボクの頭に疑問が浮かぶ。
愛季は兄弟が居ないと言っていた。
なら、両親だけで2人の筈…
『藍梨<アイリ>』
いきなり呟かれた言葉に、ボクはまた意識を戻す。
「誰ですか、それは…」
『愛季の実の兄。そして、最も憎むべき人間ですよ』
何かが、砕けた気がした。
全てが、繋がった気がした。
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