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飄々と言ってのけた藍梨は、愛季を抱き上げて笑った。
いや、笑顔なんかじゃない。
顔に笑い顔を貼り付けただけの様な…
どこか、恐怖を感じさせる笑みだ。
「愛季とおんなじ顔で、なんて笑い方だよ」
笑顔をひきつらせて、陽兄が呟いた。
こればっかりはボクも賛成かな。
「愛季君を返してもらおうか」
「ん~、どちらかと言うと愛季の所有者はオレだけどね」
愛季と寸分違わぬ筈の丸い瞳は、何故か猛禽類を思わせる。
「オレは香尋藍梨」
根本的な恐怖を煽るコイツが、愛季と血縁者だなんて信じがたい。
コイツ
「愛季の双子の兄貴だよ」
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