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息を飲むボクらの目の前で、藍梨は愉しそうに話し出す。
「愛季さぁ、まぁ、今もめっちゃくちゃ可愛いけどな? ちっちゃい頃もすんげぇ可愛くてさ… 黒目とかぐりぐりしてて、周りの大人に人気だったわけ」
愛季の細い躰を抱え直し、藍梨は続ける。
「他んとこ行きゃあいいのに、いっしょーけんめーオレについて来てさ」
想像がつく。
やっぱり愛季は愛季なんだな。
「何で? っつって聞いたらさぁ、「藍梨が1番好きだから」~っつぅの。全身の細胞が疼いたね」
喉の奥で笑う様は、何処かの獣のよう。
「それが、オレらが3歳だった時かな。それからも成長するにつれてどんっどん愛季は可愛くなってってさ、ついに変な奴らに襲われかけた訳よ」
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