天使奪還

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「あんたらぐらいの年頃の人かな。その頃愛季はまだ弱かったし、勝てる訳なかった」 まるで氷柱の様に、藍梨の話はボクらに突き刺さる。 「まっ、そいつらはオレが潰したけどね。鉄パイプ使ってさ」 無邪気なのが逆に怖い。 「肝心なのは愛季。すっかり怯えちゃって、オレの姿見た途端泣きながら抱き付いてくんの」 静かに眠る愛季を見つめてから、藍梨はまた続ける。 「我慢の限界だった。そのまま外で戴いちゃった」 外道。 いや、それ以上か… ボクら兄弟の間に、形容しがたい空気が流れた。
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