天使奪還

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「ねェ、アンタらになら分かるかな? 同じ顔に犯される気持ちってやつ」 悪びれもせずに笑うコイツは、本当に人間かと思う程。 「オレさ、すっげぇ興奮した。自分と同じ顔を犯すのに、さ」 まさに至福と言った表情を浮かべ、藍梨はボクらに近付いてくる。 「でも、ま… 今日の所はいいや。一旦店に戻んないと」 意外にもあっさりと愛季を返してきた藍梨は手を振って、暗い路地に入っていった。 「あ、次に愛季が起きたらさぁ、オレの事教えといてくんない? 金髪のアンタが知ってるって事は、時雨とも会った訳だしさ」 言葉は消えた。 姿も消えた。 ただ、眉を顰めて苦しそうに眠る愛季だけが、ボクの腕に残された。
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