幼少記憶

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「掛ける言葉が分からなくって、僕はそのまま黙ってしまいました。そしたら、藍梨は笑ってくれた」 そこまで話すと、愛季は俯いた。 「…凄く、嬉しかった。3年振りの笑顔だったから」 もう、それだけだ。 3年の溝を感じさせない2人の仲に、両親ですら呆れた程。 「それから少し経った日。いつも通りの塾の帰り道」 藍梨と違う進学塾に通う愛季は、暗い夜道を歩いていた。 勿論、1人で。 『ねぇ、ボウヤ』     ・・・・ 案の定、そういう人種に目を付けられて。
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