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あの後、兄弟(主に末の2人)に絡まれながらも何とか入学手続きを済ませた愛季。
「それじゃ、香尋の部屋だが… そうだな、春日の末と同室で良いか。春日、連れて行ってやってくれ」
「はぁい♪」
春日末…つまり、明と同室な訳だ。
「宜しくねぇ、愛季クン!」
「宜しくお願いします」
ぺこり。
そんな効果音が聞こえそうな、可愛らしい礼をする愛季。
「それじゃ、行こっかぁ」
「あ、はい」
悔しげに歯軋りする陽を尻目に、愛季の手を引いて寮に向かう明。
「愛季クンは何でこんな時期に? しかも飛び級で」
「まぁ、色々ありまして」
「愛季クン… あーもう、面倒だから愛季って呼んでも良い?」
「あ、はい」
握られた手に、別段驚く様子もない愛季。
そのまま寮に続く道を歩き、寮官に軽く挨拶をして階段を登る。
全体的に白くまとめられた寮は清潔感があり、薄暗い廊下の足元にはぼんやりと灯りが灯されていた。
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