3008人が本棚に入れています
本棚に追加
それと同じ頃。
「…やっぱりな」
ニヤ、と不敵な笑みを携え、眠る愛季の部屋に人影が1つ。
「あんだけ挑発したら、絶対ェ探しに行くと思った」
言わずもがな、
「さて… 昨日ぶりだな、愛季」
藍梨だ。
「…変わってない、なぁ」
どうやって入り込んだのか。
愛季の寝顔に鼻と鼻が付くほど近付き、藍梨は深く深く微笑む。
まるで、とても優しい兄のように。
今の状況と表情だけを見れば、どこからどう見ても仲睦まじい双子である。
「…ほんと、可愛い」
きっと嘘偽りではないのだろう。
藍梨は、愛季を誰より想っているのだ。
歪んだ愛ではあるが、間違いなく…
愛季が愛しくて堪らないのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!