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「ん…?」
ふと、藍梨が笑みを消す。
慌てたように愛季の鼻に手を翳し、一気に顔を青ざめさせた。
「息、してないし…っ!!」
素早く愛季のシャツをはだけさせ、胸に耳を近付ける。
心音を確認し、とりあえずは一息ついたと思えば、素早く人口呼吸。
暫くしてからまた心音を確認。
また人口呼吸。
「愛季…愛季!!」
必死で名を呼ぶその姿は、年相応の子供っぽさが滲み出ている。
「何やってんだよあの人達は…!!」
其処には居ない、愛季の大切な人達。
今にも涙を流しそうな顔付きで、藍梨は愛季の名を呼び続けた。
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