白鷺病院

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「あの、香尋愛季の知り合いですが…」 静かなフロントには、冷が愛季のことを尋ねる声が嫌に響く。 痛々しい程の静寂は、カラカラと引き戸が開く音で破られた。 「…おい、オッサン達」 凛とした声。 幼いながらも、よく通るアルト。 …藍梨だ。 「看護婦さん、こいつら連れてくね」 黙礼で済ます看護婦に自分も礼を返し、藍梨は歩き出した。 自分が入ってきた引き戸をもう1度開け、こちらへ来いと5人を手招く。 逆らう理由も無く、5人はただ黙って藍梨の後ろを歩いた。
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