肉親悪魔

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「あんたと、あんた」 藍梨が指差したのは、冷と静の2人。 「店に行ったんなら、見ただろ? あいつを」 はて。 2人が首を傾げたのを見て、藍梨はそれを口にするのも躊躇われるような顔で呟いた。 「店長だよ。見た目が全然店に合ってねぇ冴えないオッサン、見なかったのか?」 「「あ…!」」 そう、いえば。 店を出る時に声をかけてきたあの男。 「あれが、愛季君と藍梨の…」 「という事は、時雨さんの兄ですか」 「そ。正解」 藍梨の次の言葉を待ち、病室は水を打ったように静まり返る。 「…ん、あぁ… 人質の話、だったよな」
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