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「アイツ、すげぇ優しくしてくれてさ。服も食事もくれて、匿ってもくれた」
ズボンを叩きながら、藍梨は立ち上がる。
「そしたら、それが一気に変わった。時雨を脅して親戚内でのオレのイメージを最悪にした後、わっざわざ愛季の細かい成長記録を見せてさ… 言ったんだよ」
『弟が可愛いか?』
その言葉に、愕然と口を開く5人。
…あまりにも、残酷。
まだこの2人は12歳だというのに。
ここに居ないはずの司に、憎しみが燃えたぎった。
「ま、未成年のオレが水商売してんのもそういう訳。つー事で、今月のノルマ上げなきゃなんねぇからオレ行くわ」
弱く笑って、藍梨は部屋を出た。
「愛季、よろしく」
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