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「何なの? そんなに僕を否定したいの?」
「な…?」
「だってこれだけ僕が謝ってるのに!! 許してもくれないんでしょ!?」
フラフラと転がる藍梨のもとへ向かい、悪魔も凍る微笑みを携える愛季。
「…何回殴れば許してくれる?」
「ちょっ! 許す許す!! 許すから!!!」
顔の前で激しく両手を振りながら、藍梨はふっと微笑んだ。
「まったく…腹黒く育っちゃって」
「お互い様でしょ」
力尽き、藍梨の腕の中へ崩れ落ちる愛季。
そんな愛季の肩にぐっと顔をうずめ、藍梨は呟くように言った。
「…ありがと、愛季」
あぁ 涙流すかな 美少年
美しき悪魔の羽は堕ち
天使の腕に崩れ落ち
羽を亡くした悪魔 悪魔
天使に救われ 泣き崩れ
美少年 美少年
この時が 続く事を臨まん
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