3008人が本棚に入れています
本棚に追加
/272ページ
それぞれが臨戦態勢に入り、愛季は生気を失った頬を上げて微笑んだ。
「本当に、有難うございます。貴方達に逢わなければ、僕らはずっとお互いを誤解したままだった」
「まっ、感謝してるよ? 愛季を腹黒くしたのは後でみっちり説教させてもらうけど」
小憎たらしい笑みを取り戻し、藍梨は生き生きしてきたようだ。
頬には赤みが差し、最初に逢った時より格段に愛季に似てきている。
「よっし、行くか!」
ぱしん、と渇いた音を響かし、陽が掌に拳を打ちつけた。
「何処に?」
茶化すような笑みを浮かべながら、明がのうのうと尋ねる。
「勿論…」
「「「「こいつら解放しに、だよ」」」」
最初のコメントを投稿しよう!