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「回りくどいのも何だからぶっちゃけちゃうけどねぇ、此処は同性愛者が集まるトコなんだよ~。まぁ、男子校だから… 所謂 BLってやつ?」
「同性愛者…」
鼻を啜りながら、愛季が繰り返す。
「そ。最初の頃にそういう噂が随分広まったから… みぃんな、自分が好きな子もそういうのだと思ってる」
だからこそ、明は迷わず愛季を押し倒した訳だ。
愛季も、「そっち側」の人間だと思い込んでいたから。
明は瞼を閉じ、そしてゆっくりと開いた。
「…愛季、これは真面目な話だけど」
「…はい」
「愛季はこの学園を辞めた方が良い。ボクはまだ歯止めがきくから良かったけど、他はどうだか分からない」
真剣な顔つきで、愛季の頬に触れる明。
「次にこんな事があったら、止めてくれるか分からないんだよ。本当に、犯されちゃうかもしれない」
「…あの」
言いにくそうに、けれどはっきりとした声で愛季が呟く。
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