体験忠告

7/10

3008人が本棚に入れています
本棚に追加
/272ページ
「回りくどいのも何だからぶっちゃけちゃうけどねぇ、此処は同性愛者が集まるトコなんだよ~。まぁ、男子校だから… 所謂 BLってやつ?」 「同性愛者…」 鼻を啜りながら、愛季が繰り返す。 「そ。最初の頃にそういう噂が随分広まったから… みぃんな、自分が好きな子もそういうのだと思ってる」 だからこそ、明は迷わず愛季を押し倒した訳だ。 愛季も、「そっち側」の人間だと思い込んでいたから。 明は瞼を閉じ、そしてゆっくりと開いた。 「…愛季、これは真面目な話だけど」 「…はい」 「愛季はこの学園を辞めた方が良い。ボクはまだ歯止めがきくから良かったけど、他はどうだか分からない」 真剣な顔つきで、愛季の頬に触れる明。 「次にこんな事があったら、止めてくれるか分からないんだよ。本当に、犯されちゃうかもしれない」 「…あの」 言いにくそうに、けれどはっきりとした声で愛季が呟く。
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3008人が本棚に入れています
本棚に追加