生徒会長

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「ま、愛季…紹介するわ」 顎を押さえたままよろよろと立ち上がった陽が、3人を並べて愛季に向き直る。 「この赤い変な頭が徳川 葵<アオイ>。」 「葵様、と呼ばせてやろう」 葵はふんぞり返ったが、愛季は見事にスルーした。 「で、このちっこいのが豊臣 都<ミヤコ>。」 「都で良いよぉ」 にっこりと笑って愛季に歩み寄ろうとする都は、陽に首根っこを掴まれる。 「んで、このぼーっとしたでけぇのが織田 玄、な」 「…玄」 す、と中性的な手を伸ばしたのは握手をしようという意味なのだろうか。 「香尋愛季です。宜しくお願いしますね」 愛季は玄の手を握った後、ぺこりと可愛らしく礼をした。 「へぇ~、従順、敬語、天然の受けねぇ」 楽しそうな笑みを浮かべながら、陽の手を振り払った都が愛季の顎を掬う。 「キスは? もうされた?」 「へ?」 「こらクソチビ! 愛季に変な事言うな!」
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