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ごちん、と、陽が都の頭に拳骨を振り下ろす音が響く。
「…何すんのさ?」
「害虫駆除。兄貴達が居ない間に、愛季に変な虫付けてたまるかっての」
「はぁ? ぼくが害虫? ついに頭パーになったんだぁ、かーわいそー」
ばちばちばち、と心なしか2人の間には火花が散っているように見える。
そんな2人を見ながら、愛季ははらはらと落ち着かない表情を見せた。
「べっつに良いでしょ!? 少しくらい味見したって減るもんじゃないし!」
「減る! っつーかお前が近くに居るだけで愛季の純粋なトコが減ってんだよ!!」
「あ、あの、喧嘩は…」
「「黙ってろ<て>!!」」
止めようとした愛季の声も聞かず、ぎゃんぎゃんと喧嘩を続ける2人。
まるで犬と猫のような2人に、愛季は溜め息をひとつこぼした。
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