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「あーっもう! 誰か僕に詳しく説明して下さいよー!!」
火花の中心で、愛季はぶんぶん両腕を振り回して叫んだ。
「やはり香尋さんが選ばれましたか…」
「静さんっ!?」
そこへ現れたのは静。
後ろには呆れ顔の静の担任が、さっさとしろよと声を掛けている。
…どうやら、煙華の暴走を止めるのは静の役目らしい。
そのせいなのかは解らないが、静はいつもより深く皺の刻まれた眉間を押さえ、いつもより不機嫌そうな顔をしていた。
つかつかと愛季(と火花を散らす3人)に近付き、べりりと剥がすように愛季を自分の腕の中へ。
「いい加減になさい。香尋さんまで巻き込んで…どういうつもりですか?」
「だって煙華さんがさー」
「学園長命令」
「そいつが生徒会長だってーからさー」
取り合っていた中心を容易く奪われ、些か眉を顰めて3人は口々に抗議した。
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