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「んでんでっ? 愛季くんは生徒会長やってくれちゃったりなんかしてくれる?」
「…僕で、良ければ」
愛季自身が頷いてしまっては、もう静や陽に愛季を止める術は無い。
深く眉間に皺を寄せ、はたまた不満そうに頬を膨らまし。
幸せそうに煙華に甘える愛季を見ては、呆れた様に優しく笑った。
「聞いたわねっ、静くん!?」
「香尋さんが良いと言うなら、僕はもう構いませんよ。でも」
キッ、と、眼鏡の奥の瞳が放っておかれた葵・都・玄の3人に移る。
きらり光った猛禽類を思わせる瞳孔が、彼らを見据えて視線だけで物語った。
<呉々も傷付けないで下さいね?>
自然と頭に浮かんだ言葉に、3人は素直に何度も頷いた。
最早ブンブンと首を縦に振るって勢いで。
こうして、山茶花学園の生徒会長は、修学旅行先で決まったのであった…
あぁ 幸せかな 美少年
母と呼ぶべき 女は居らず
母の様な 女と出逢う
あぁ 愛季 美少年
どうか いつまでも 笑うよう。
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