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「それじゃ、生徒会長はぼくらと一緒に自由行動だよ」
「都さん達と?」
「此奴等旅行。我等生徒会」
「お前いっつも訳わかんねぇよな! ってかワザとだろ、ソレ」
ガシガシと頭を掻いて玄を睨み付ける葵。
そんな葵をまた睨み返し、玄は静かに首を横に振った。
「あーもう、ケンカしないで下さいよ! 玄さんは、静さんや陽さんは学年として行動があるから、僕らと行動出来ないって言いたいんですよね?」
柔らかく笑って、愛季は玄を見上げる。
目つきを緩めて玄は頷き、ぎゅうと愛季に抱き付いた。
「理解、感謝」
「いえいえ、どう致しまして?」
眉を垂れて笑いながら、愛季は言う。
「それじゃ僕らは兄さんの所へ行きます。香尋さん、くれぐれもお気をつけて」
「また後でなー、愛季!」
ついでに言っておくと、陽はアレでも高校生だ。
修学旅行ではクラス行動へ行かなくてはいけない。
2人は少し離れた所から見守っていたらしい担任にそれぞれ出迎えられ、愛季に手を振りながら離れていった。
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