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そんな愛季を連れ、煙華は慣れた身のこなしで縄梯子を登って行く。
他の3人は呆気に取られる様子も無く、これまた慣れた身のこなしで後に続いた。
「ひーん、揺れてる~っ」
「早く登らないとぼくが愛季抱えて登っちゃうよぉ?」
寧ろそうしたい、とひしひし感じさせる声色で都が言う。
僅かに危険を感じた愛季はその後脇目もふらず黙々と登り続けた。
* * * * *
「つっ…着いた…!!」
激しい風に涙を流しながら、愛季は広い戦闘機の中で膝をつく。
「情けないねぇ、愛季?」
さり気なく愛季の手を握って立たせてやりながら、都はからからと笑った。
玄は心配そうに頭を撫で、葵はというと。
「…地面が…離れ…」
愛季以上に震えていた。
そりゃもうガクブルと。
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