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「…あ」
ぽん、と掌を叩き、愛季は何か思い付いたような仕草をした。
「どしたの愛季くん? ってかつくづく可愛いのね食べちゃいたいわ」
煙華に抱き締められながら、愛季は都と玄をキッと睨む。
一瞬怯んだ2人の耳に、凛と自信に満ちた声が届く。
「僕、この3人が仲直りしてから、その時1番いい人だと思った人に生徒会長の座を譲ります!」
ぽかんと口を開け、煙華と都、玄は暫く言葉を失った。
隅で壁に凭れ、腕を組んで目を閉じていた葵さえも目を開き、愛季を見つめる。
「…愛季、流石にそれは「出来ないなら生徒会長は僕が卒業するまで僕のまま。貴方達には譲りません」
都の言葉を遮り、愛季はぷん、と頬を膨らましてそっぽを向いた。
拗ねた子供のような仕草にまた煙華は興奮し、隠しもせずに写メを撮りまくる。
「後でニコ中養護教諭に自慢しよっと♪」
自重しろ。
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