自由行動

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「科学も進歩したよねぇ。ちょっと前まで鉄の塊が空を飛ぶのも無理だったのに」 「それは結構前の話なような…」 「驚愕。綺麗」 「そうですね、とっても綺麗です」 両側から話し掛けられても、愛季は嫌な顔ひとつせずに答える。 まるで聖徳太子のようである。 「でもホントに凄いです。あんな向こうまで一面薄紫で」 愛季は窓いっぱいのラベンダーを指でなぞりながら、にっこりと笑った。 と、突然風が吹き込んできた。 「…学園長、何なさってるんですか」 「ん? 縄梯子出してるの」 「…もしかして」 「いやぁね愛季くん、こんな素敵な景色は見るだけじゃつまらないわよ?」 バサッと下ろされた縄梯子は物凄いスピードで落下し、さながらバンジージャンプのようにびょんと跳ねた。 「さっ、降りるわよー!!」 煙華の行動は普通じゃない。 漸く理解した愛季であった。
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