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「…もう二度とあんな事したくありません」
「ヤダわ愛季くんたら、人生何事も経験なのよー?」
調子に乗って高度200mで宙ぶらりんになる煙華を支えたり。
あまりの恐怖に気絶する葵を抱えたり。
お構いなしにずかずか降りてくる玄を止めようと叫んだり。
我関せずとさっさと降りていく都に助けを求めたり…
「僕多分、この20分で寿命が5年くらい縮まりました」
「あっははは! 愛季くんたら大げさねぇ」
1発ぶん殴ってやろうかこの貴腐人が。
そう愛季が思うが早いか…
1人の人影が、足早に愛季達一行に近付いてきた。
「オイ、お前ら! 何てトコから侵入してくれてんだ!! ラベンダー弁償しやが…」
エプロンを着けたその人影の姿が露わになるや否や、愛季は大きな瞳を見開いた。
「…藍梨!?」
「え」
ああ 恐ろしきかな 美少年
騒がしき皆を纏め
疎ましき者を窘め
今 更に厄介者を抱え…
美少年 美少年
どうか幸福を 祈らん
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