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「何で藍梨が此処に!?」
「え、あぁ、近くにここのラベンダー使った名産品を売ってる店があるんだけど… そこが今日からオレを養ってくれるトコらしくてさ」
成程、エプロンは店の手伝いをしているからか。
愛季は頭のどこかでぼんやり考えた。
突然同じ顔の人間を2人見て、他の4人は2人の顔を交互に見比べる。
暫くしてから玄がぽんと手を打ち、そして言った。
「一卵性双生児?」
「あ、はい、そうです。紹介しますね、こちらは藍梨… 僕の双子の兄です」
「ども」
ひょこ、と頭を下げた後、藍梨はぐるりと4人を見回した。
「ったく… 愛季の周りにはどんだけ人が居るんだよ」
今朝まで居た奴らとは全然ちげぇじゃん。
藍梨が不機嫌そうにそう零し、愛季は慌ててこちら側の紹介に移った。
「僕が今 通ってる学園の学園長さんと、生徒会副会長の3人。因みに今朝の皆も生徒会役員だよ」
「はぁ? あの赤毛のオッサンも?」
「それは保健の先生で…」
仲良さげに愛季と話す藍梨に腹が立ったのか、玄が2人の間に割り込む。
「我、玄」
「はぁ、ども」
負けじと今度は都と葵が。
「ぼくは都だよ~」
「俺は葵だ」
三者三様、かなり機嫌にばらつきはあるものの… 3人は取り敢えず挨拶を済ませた。
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