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「「は」」
「「「「「はァァァアアアアア!?」」」」」
ァァァアアアアア。
ァァァアアアアア。
ァァァアアアアア。
もうそろそろラベンダー畑の所有者が青筋立てて飛んで来ても良いんじゃないか。
いや、寧ろ頼むから。
誰か来てくれ、切実に!!
「…いい加減にして下さいよ…?」
愛季はふるふると拳を握り締めて煙華を見やり、常人が向けられたら失神しそうな声を絞り出した。
しかし暴走爆走スイッチオン、私が新世界の神になるわよキャハー!!状態の煙華にはそれが効く訳もなく。
既に何処から取り出したのやら、入学手続きの一切合財を藍梨に押し付けて煙華はこの上ない笑顔を浮かべていた。
当の藍梨はと言えば驚きと訝しみとほんの少しの哀れみが混じった視線を煙華に向け、そして愛季を見る。
「…愛季、あの、さ、オレ」
「あぁぁああ藍梨、嫌だったらちゃんと言ってね!? 折角 司から解放されたのに、また束縛されたりしたくないよね!?」
ぎゅ、と藍梨の両手を握り、愛季はパニック故に半涙目でまくし立てる。
必死すぎるその姿に、煙華が親指を立てて鼻血を流すのを、葵は全力で見ないふりをした。
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