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「ま、愛季は…イヤか? オレと、学校」
「そりゃ嬉しいよ藍梨と一緒に学校なんてだってずっと離れてたのに…って、へ?」
思わず返事をした愛季だが、一息に言ってしまってからはっと我に返る。
ゆっくりと藍梨の顔を見てみると、この上なく幸せそうな。
笑顔。
「そっか。そっか…」
何か納得したように藍梨は頷き、愛季の鼻先に軽くキスを落とした。
煙華がラベンダーを赤に染める。
「行く! ここの人に世話かけなくて済むし」
ちら、と藍梨は葵達を見やった。
ぽかん、と呆気に取られる3人に、勢い良く親指を向ける。
下向きで。
「愛季に付いてくる害虫の排除もしやすいからな!!」
「あんだとゴルァ!!」
その言葉には真っ先に葵が反応し、藍梨に掴み掛かった。
転がる2人。
その隙に、と愛季の腕に擦り寄る都は、信じられない程に黒い笑みを携えて言う。
「ほーんと、葵って…」
愚かだよねぇ。
誰か静さんを連れて来て下さい。
愛季はふとそんな事を思った。
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