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ぎゃあぎゃあと騒ぐ葵と藍梨、愛季を抱き締めて離さない都、そして玄。
煙華は未だ、鼻血の海に幸せそうな笑顔で沈んでいる。
愛季はもう収拾つかねーなこれははは、と現実逃避に没頭していた。
「もー… 一気に色々ありすぎて何が何だか分かんないですよ」
頭に手を当て、愛季はふうと小さく溜め息を吐いた。
未だ修学旅行は2日目だというのに、自分はどれ程の事に巻き込まれただろうか。
生き別れの双子の兄と再会して、陽に告白されて、死にかけて入院して、叔父をボコボコにして。
やっと終わったと思えばまた濃いキャラの4人と出会って、生徒会長になって、早くも兄と再会して。
そしたら今度は兄が自分と同じ学校に転入してくるなどというのだから、頭痛もまた当然であろう。
此処に居ない静の存在が、自分にとってどれだけ安息の地であったかを再認識。
静さん、助けて。
貴方以外はバカばっかりです。
愛季はこっそりそう思ったが、静とて明以上に腹黒く、冷以上に策士で、更に陽以上に乱暴である事は…
愛季以外の全員が知る事であった。
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